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「競艇はスタートで半分決まる」——よく言われるこの言葉は、決して大げさではない。わずか0.1秒のスタートの差が、1マークの隊形を決め、レースの行方を左右する。スタートタイミング(ST)を読めるようになると、同じ出走表からでも一歩踏み込んだ展開予想ができる。今日はSTの見方を、スリットの揃い方やフライングのルールまで含めて整理する。出走表全体の読み方は出走表の見方もあわせてどうぞ。
STとは:スタートタイミングの略で、スタートラインを通過した瞬間の「タイミングの正確さ」を数値化したものです。競艇はフライングスタート方式。大時計の針が0を指す瞬間にラインを通過するのが理想で、数字が小さいほど(0に近いほど)好スタートになります。

競艇のスタートは「フライングスタート方式」
競艇のスタートは、陸上のように静止から一斉に飛び出すのではない。助走をつけ、大時計が0を指す瞬間にスタートラインを通過する「フライングスタート方式」だ。だから、0ちょうどで通過するのが理想。早すぎればフライング、遅すぎれば出遅れになる。
STの数字は「0.15」のように表示され、これはスタートラインを0.15秒遅れて通過したという意味になる。0に近いほど鋭いスタートで、一般にST 0.10〜0.15前後が好スタートの目安とされる。この一瞬の差が、1マークまでの位置取りを決める。
0を越えるとフライング:大時計が0を指す前にラインを通過してしまうと「フライング(F)」。重いペナルティの対象になります。選手は「できるだけ0に近く、でも越えない」ギリギリを攻めているわけです。
平均STで「スタート力」を測る
出走表には、各選手の平均STが載っている。これはその選手の近況のスタートの平均値で、スタートの速さと安定感を測るものさしになる。
| 平均ST | 評価の目安 |
|---|---|
| 0.13以下 | スタートが速い。先手を取りやすい |
| 0.14〜0.16 | 標準的 |
| 0.17以上 | やや遅め。好枠でも取りこぼし注意 |
平均STが速く安定している選手は、枠なりにスタートで前へ出て主導権を握りやすい。とくに外枠の自力型が速いSTを持っていると、まくりの一撃が利く。逆に、好枠に入っていてもSTにムラがある選手は、スタートで後手を踏んで持ち味を出せないことがある。
「速さ」より「安定」も大事:平均STが速くても、フライング持ちで慎重になっている選手はスタートを緩めることがあります。数字の速さだけでなく、直近のレースで安定して踏めているかもあわせて見ましょう。
スタート展示とスリット|本番前の予行演習
本番前にはスタート展示が行われる。これは実際のスタートの予行演習で、各選手がどの進入コースから、どんなタイミングでスタートするかを見られる絶好のチェック機会だ。
ここで注目したいのがスリット——スタート直後の6艇の横並びの状態だ。
- スリットが揃う:各艇が横一線。インの逃げが決まりやすい展開
- 内が出る:1・2号艇が前。イン有利がさらに強まる
- 外が出る:3〜6号艇が前に出てスリットが出る=まくりの気配。荒れる余地
スタート展示でのスリットは本番の目安になる。「外の自力型がスタート展示でビュッと出ていた」なら、本番でもまくりを警戒したい。進入隊形そのものの読み方は前づけ・進入の解説で詳しく扱っている。
フライング(F)と出遅れ(L)|重いペナルティ
スタートに関わるペナルティも押さえておきたい。代表がフライング(F)と出遅れ(L)だ。
| 記号 | 内容 | 扱い |
|---|---|---|
| F(フライング) | 0を越えて早くスタート | 当該艇は失格。舟券は返還 |
| L(出遅れ) | スタートが大きく遅れる | 当該艇は失格。舟券は返還 |
フライングは選手にとって非常に重く、一定期間の斡旋停止など厳しい処分につながる。そのため、フライングを嫌ってスタートを慎重にする選手もいる。フライングと返還金の仕組みは競艇のフライング・返還金とは?で詳しく解説している。買う側としては、「F持ちの選手はスタートを緩める可能性がある」と頭に入れておくと読みが深まる。
STを予想に活かす3ステップ
STの知識を、実際の予想手順に落とし込むと次のようになる。
| STEP | 見るところ |
|---|---|
| ① 平均STの比較 | 誰がスタートで前に出そうか |
| ② F・Lの有無 | 慎重になりそうな選手はいないか |
| ③ スタート展示 | スリットの出方で本番の隊形を予測 |
まず6艇の平均STを比べ、スタートで主導権を握りそうな艇を見極める。次にF持ちなど慎重になりそうな選手を差し引く。最後にスタート展示のスリットで、イン逃げ濃厚か、外のまくりが利きそうかを判断する。この流れで「1号艇のスタートが速く、外に目立つ自力型もいない=逃げ中心」といった展開が描ける。体系的な予想の進め方は競艇の予想のコツにまとめている。スタート展示やリプレイは本日のレース(レースデータ)で確認できる。
まとめ|0.1秒を読めると展開が見える
競艇はフライングスタート方式で、0に近い鋭いSTを刻んだ選手がスタートで前に出る。出走表の平均STで各艇のスタート力を測り、F・Lのリスクを差し引き、スタート展示のスリットで本番の隊形を予測する——この流れが身につくと、同じメンバーでも展開が立体的に見えてくる。「スタートで半分決まる」の意味が腹落ちしたとき、あなたの予想は一段深くなっているはずだ。
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